概要
一般財団法人東京水産振興会では、消費者への魚食普及を目的に、日常的な水産物の摂食とその効果に関する食生態学的研究を行い、その成果として、2011年に「さかな丸ごと探検ノート※」(以下「探検ノート」)を発刊しました。そして、「探検ノート」を活用した「さかな丸ごと食育」実践活動を、栄養・食を支える専門家の質を高める研修事業等を行っているNPO法人 食生態学実践フォーラムと連携して行っています。
その実践活動の特徴は、学習を支援する質の高い人材を養成し、全国的かつ組織的であること、魚は地域の特徴が色濃く多様であり、地域の特性を生かしていることです。これまでに登録された養成講師は約870名になり、上記の研究の成果、新開発した教材、活動事例の紹介等のニュースレターを共有し、活動に生かし合っています。
なお、「さかな丸ごと食育」サポーター養成・学習システムにつきましては、連携先のNPO法人 食生態学実践フォーラムのウェブサイトよりご覧ください。
研究活動
魚食普及を目的に、2003年度より3年間「日常的な水産物の摂食とその効果に関する食生態学的研究」を行い、科学的根拠に基づいた魚を中心とした食育の方向性や魚食普及のありかたを検討しました。
この研究成果をさらに実践的な内容として活用するため、2009年度より「「さかな丸ごと食育」プログラム・教材開発研究」を行い、2011年には、これらの研究成果を全面的に活用した教材「さかな丸ごと探検ノート」及び同プロフラムと教材を活用する講師向けの解説書「魚と人間と環境の循環」を制作しました。
2018年度からは、「「さかな・乳幼児の食事・食を営む力や生きる力の形成・環境のかかわり」に関する食生態学的研究」に取り組み、地域・くらし・子どもの心身の発達状態等に対応した利用可能性・展開可能性を検討すると同時に幼児発信型絵本教材の制作を進めています。
研究報告書
※ 著者の所属情報は発行当時のものです
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「さかな・乳幼児の食事・食を営む力や生きる力の形成・環境のかかわり」に関する食生態学的研究
研究代表:女子栄養大学名誉教授、名古屋学芸大学名誉教授 足立己幸氏
2018年~
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「さかな丸ごと食育」研究—プログラム・教材開発に関する研究
主任研究者:宮城学院女子大学教授 平本福子氏
2018年~
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「さかな丸ごと食育」研究—プログラム・教材開発に関する研究
主任研究者:女子栄養大学名誉教授、名古屋学芸大学名誉教授 足立己幸氏
2009年~2017年
資料
「さかな丸ごと食育」研究—プログラム・教材開発に関する研究(2009年~2015年)報告書
2017年12月発行
資料
「魚丸ごと食育」プログラム・教材開発に関する研究—平成23年度事業報告
2012年12月発行
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日常的な水産物の摂食とその効果に関する食生態学的研究
座長:女子栄養大学教授 足立己幸氏
2003年~2005年
資料
「魚」から、食の循環を重視する食育を考えてみませんか「魚と食育」フォーラム~「日常的な水産物の摂食とその効果に関する食生態学的研究」結果をふまえて~
2009年1月開催
資料
日常的な水産物の摂食とその効果に関する食生態学的研究 最終報告書
2007年2月発行
資料
日常的な水産物の摂食とその効果に関する食生態学的研究 中間報告書
2005年12月発行
実践活動
魚食育の普及活動の一環として、「さかな丸ごと食育」プログラムと教材「さかな丸ごと探検ノート」を活用した「サポーター学習会」等の実践活動が全国各地で行われています。また、これらの学習会を企画・開催する人材を育成するため「さかな丸ごと食育」養成講師の認定や研修会等をNPO法人食生態学実践フォーラムと共に行っています。これまでに登録された全国の養成講師は約850名になります。
サポーター学習会開催報告
全国で実施されている「さかな丸ごと食育」サポーター学習会の一部を紹介しています。
塩竈モデル
宮城県塩竈市では、塩釜市水産振興協議会と宮城学院女子大学との連携により、塩竈市魚市場を拠点とした「さかな丸ごと食育」実践活動を2016年度より実施しています。魚市場を拠点とした食育活動のさらなる普及を図るため、これまでの活動成果を「塩竈モデル」として取りまとめ、2021年2月に冊子「魚市場を拠点としたさかな丸ごと食育「塩竈モデル」でつながる魚の街」を発行しました。また、同市と一般財団法人東京水産振興会とは、2015年度より上記の「さかな丸ごと食育」等の活動を連携して取り組んでまいりましたが、2021年6月に包括連携協定を締結し、さらに多くの分野において連携・協力を促進し、市場の活性化や魚食普及、おさかなミュージアムの運営などを共に進めてまいります。詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。
フォーラムの開催
フォーラムを開催し、冊子を発行しています。
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「さかな丸ごと食育」実践フォーラム2013
2013年12月14日開催
ニュースレター
全国で実施されている「さかな丸ごと食育」実践活動や教材等の情報を発信し、「さかな丸ごと食育」養成講師間の相互学習や情報交換等に役立てるため、2014年度よりニュースレターを発行しています。
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.18
2024年3月31日発行
第2子が生まれました!絵本『まるまる みんな いただきます!~かわも うみも やまも さかなも~』を共有してすすめる「さかなまるまるムーブメント」/その先にあるものに気づいて感じる 絵本『まるまる みんな いただきます!』を使ったワークショップ(静岡県三島市)/地元の魚に興味を持ってもらい皆で味わう 模擬セリ体験とカニ面づくり(石川県金沢市)/地域の漁業者から現場の工夫や思いを学び、味わう学習会 「海の輝き(シラス)」のおいしさの秘密と味わい(茨城県日立市)/丸ごと「豊海おさかなミュージアム」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.17
2023年3月31日発行
Go to River!/生きているものすべてに興味を持ってほしい 潮目の海の水族館(福島県いわき市)/楽しく魚ファンを増やす!魚で幸せな食卓になるように(東京都文京区)/「手焼き笹かまぼこ」づくりを体験し地元の名産品を自慢に(宮城県塩竈市)/丸ごと「豊海おさかなミュージアム」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.16
2022年3月31日発行
一般財団法人東京水産振興会の役割と「さかな丸ごと食育」の取り組みについて/「豊海おさかなミュージアム」食育セミナー 学習者、支援者が一緒に作り上げてきた10年(東京都中央区)/島のおいしさをおすそわけ (宮城県塩釜市)/開発した食品で宮古に興味や関心を持ってほしい (岩手県宮古市)/丸ごと「豊海おさかなミュージアム」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.15
2021年9月30日発行
「さかな丸ごと食育」と持続可能な開発目標8(SDGs)/イワシの背が青色で腹が銀色なのはなぜ?(神奈川県横浜市)/自分のからだの成長と向き合い食べる魚が生きて生活していることに気づく(愛知県あま市)/さかなはビジネスとして役立つ!(三重県尾鷲市)/丸ごと「豊海おさかなミュージアム」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.14
2021年3月31日発行
「さかな丸ごと食育」の実践への誘いとして/漁業のまち・重茂を誇りに思う気持ちを確かなものに(岩手県宮古市)/さかなを身近に感じ感謝の気持ちを持つ(愛知県瀬戸市)/魚を育む川の環境を守りたい(栃木県那須郡那珂川町)/丸ごと「豊海おさかなミュージアム」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.13
2021年1月5日発行
子どもの共食と食育/まずは食べて、おいしさを知ってもらう(新潟県新潟市)/手づくりのデジタル絵本・かるたを使って遊びから学ぶ(京都府相良郡精華町)/丸ごと「豊海おさかなミュージアム」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.12
2020年3月30日発行
さかな丸ごと食育「実践に向けて」ができました!/ホタテ料理のバリエーションで、家族や地域の食卓を豊かに(青森県青森市)/世界にもさかなパワーを伝えたい(静岡家焼津市)/魚の食文化をつないで、復興の力に!(福島県相馬郡新地町)/丸ごと「豊海おさかなミュージアム」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.11
2019年9月15日発行
「さかな丸ごと食育」と「水産白書」/「さかな丸ごと探検ノート」を丸ごと学習してポップで発信する(東京都調布市)/ハマの市場流で若い世代に魚のすばらしさを伝えたい!~市場でのおさかな離乳食料理教室(神奈川県横浜市)/水産業のイメージが変わった! 魚市場の一つひとつが、食の循環につながる(宮城県塩竃市)
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.10
2019年3月30日発行
子どもの肥満と魚を主菜とした和食 「さ・わ・や・か・ダイエット」のすすめ/郷土料理の特徴をとらえて、郷土料理を伝える~頭からしっぽまで、丸ごと全部食べられる!?(愛知県愛西市)/豊海おさかなミュージアム 旬のさかな特別企画展のご紹介です!/今年も間もなくカツオの季節
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.9
2019年1月30日発行
八丈島漁協女性部の食育活動で学んだ情報発信の大切さ/長いスパンで見守る、魚からの食育(神奈川県横浜市)/水産高校生が地域の保育園児に、地域や魚のよさを伝える(愛媛県宇和島市)/特集 海に近い人たちの暮らしを見つめたい~「うみ・ひと・くらしシンポジウム2018 in 塩竃」に参加して/サバ缶ブーム続く 生産量でツナ缶抜く/豊海おさかなミュージアムのおさかな先生のご紹介です!
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.8
2018年3月30日発行
京都の「丸ごとさかな」と「さかな丸ごと」食育/魚っとおどろく魚博士になろう~「さかな丸ごと探検ノート」を使った洗練されたプログラム(京都府京都市)/心・からだ・くらし・地域にぴったりの「南三陸町のさかなと人間と環境の循環図」の活用力をアップする(宮城県本吉郡南三陸町)/特集 循環の視点を入れた子どもからの発信、さかな丸ごと探検隊!~復興した塩竃市魚市場の取り組み/海にも春が! サクラエビ漁解禁/「さかな丸ごと食育」研究—プログラム・教材開発に関する研究(2009年~2015年)報告書を発行しました
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.7
2017年10月10日発行
調理教育学からみた 魚を主菜に「3・1・2弁当箱法」/「さかな丸ごと食育」と「3・1・2弁当箱法」のコラボ(愛知県日進市)/再建中の新しい市場で、地元の魚を知って、作って、みんなで食べる(宮城県塩竈市)/特集 「さかな丸ごと食育」研究活動/秋サケのシーズンはじまる!/2017中央区「わくわくツアー」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.6
2017年3月25日発行
学校における「さかな丸ごと食育」/五感を使って体験する(東京都西東京市)/伝統と地域の力に、「さかな丸ごと食育」が加わりパワーアップ(茨城県ひたちなか市)/特集 科学的根拠をふまえた「さかな」食育をリードしたい!/春告魚「サワラ」/かまぼこを手づくりしました!
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.5
2016年10月25日発行
赤身魚と白身魚/生産について知ってこそ“食の循環”の理解につながる(東京都中央区)/フレッシュなチームワークで、「さかな丸ごと食育」の楽しさを伝え合う(鳥取県米子市)/特集 銀ザケは、宮城の魚、蔵王の魚(宮城県蔵王町)/「さかな丸ごと食育」養成講師に、水産の専門家が誕生しました!/旬の魚情報~サンマ
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.4
2016年3月14日発行
「「さかな丸ごと食育」は身近なアクティブラーニング」発行によせて/アジの歯に注目して、丸ごと観察して、丸ごと食べる(神奈川県横浜市)/自分で主食・主菜・副菜が選択でき、自己管理ができる人に(埼玉県新座市)/特集 作りたい料理に合ったサケはどれ?(東京都中央区)/旬のお魚学校—海藻おしば教室/スギヤマカナヨさんからの応援メッセージ
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.3
2015年9月15日発行
「さかな丸ごと探検ノート」地方展開版、「クジラ丸ごと探検ノート」「銀ザケ丸ごと探検ノート」の制作とその活用/イシモチでかまぼこづくり(静岡県浜松市)/「さかな丸ごと探検ノート」を使った食育プログラムをつくる(神奈川県鎌倉市)/特集 おさかなミュージアムに修学旅行生がやってきた!(東京都中央区)/平成27年度「食育推進ボランティア表彰」
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.2
2015年1月1日発行
わがまちの「さかなと人間と環境の循環図」を描く試み~八丈島の事例/さかなで共食(島根県出雲市)/学級担任と栄養教諭の絶妙の連携(愛知県豊橋市)/特集 豊海おさかなミュージアム(東京都中央区)
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「さかな丸ごと食育」ニュースレター No.1
2014年7月31日発行
「さかな丸ごと食育」ニュースレター創刊に乾杯!/ニコニコキッチン・さかな探検隊(宮城県仙台市)/サポーターから広がるおさかなミュージアムの「食育セミナー」(東京都中央区)/親子で探検!イワシを丸ごといただきます!(兵庫県姫路市)/旬のお魚学校—カツオ
教材・資料
「さかな丸ごと食育」実践活動に活用できる教材を掲載しています。
さかな丸ごと探検ノート
「さかな丸ごと食育」地域展開版教材